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絶対の仕事

自分がIT業界、こと下請けの開発会社で働いていることについて疑問に思うことがある。

今日、テスト環境から本番環境に修正分を反映する作業を行った。その修正部分はテスト環境において、他の追加修正を行っている最中のファイルだった。それを誤って本番に反映させてしまい、本番環境に不具合が生じた。クライアントから不具合の発見を報告される電話があり、これは完全に自分の過失として認め、すぐに修正すると返答した。ここまではよかったのだが、ここでクライアントは、「絶対にこんなことがないようにしてください」と言った。

この修正部分はショッピングサイトの管理画面で、不具合によって注文や取引が正常に行われなくなるというものではなかったが、クライアントはあたかもその部分がそういう事態を引き起こす不具合であるかのように言う。もちろん、今回のような過失が対象とする適用箇所によってはそうなりうる。

しかしだ。人間が行う作業に「絶対」はありえない。どんな単純な作業にしてもだ。ウェイトレスは皿を割りたくて割ってるんじゃない。割りたくなくても過失は起きてしまうのだ。

今回の過失も自分がより注意していれば起きなかったかもしれないが、同じ状況を100回、1000回とこなしていれば、1回は起きるだろう。それをクライアントは「絶対にやるな」という。

そのときはとりあえず謝っておいたが、納得がいかない。依頼主と下請けの関係ではこのような無茶なやりとりは日常茶飯事だろう。

システム開発会社はサイト運営会社の下の立場にある。実際にユーザ向けサービスを提供しているのはサイト運営会社であって、ユーザに謝るのはサイト運営会社だ。そして、サイト運営会社はユーザには絶対に頭があがらない。たとえユーザがどれだけ理不尽な要求をしてもだ。適当かつ丁寧にお断りするしかない。システム開発会社はユーザからの不具合、要望、要求等の連絡をサイト運営会社を経由して聞く。システム開発会社に同時にメッセージが送信される仕組みもありえる。サイト運営会社がユーザに謝ったように、システム開発会社はサイト運営会社に誤る。サイト運営会社がユーザにそのように訴えられることもあるだろう。「絶対」を保障できないとわかっていても、それをなんとか実現させようと努力するものだ。下請け会社のクライアントに対する姿勢も同じだろう。これはIT業界に特化した話でもない。

これは当然の構図のように思える。だが「絶対にやるな」には納得できない。製造業においては綿密なテスト工程とそれを行う設備を用意してテストを行う。機械化されているテストは極めて不具合の発生を抑える能力を持っているだろう。人間はその工程をマニュアルどおり通せばいいだけ。だが、ソフトウェア開発は最も機械的で自動化が進んだ分野に見えて、実は人間の手作業による部分が大きい。プログラミングはアートだ。具体的な仕様を実現するための方法はいくらでも存在するし、コーディングルールがしっかり設定されていなければ誰が書いたかによってその成果物は千差万別だ。そもそもうちの仕事は仕様がかなりあいまいだ。デプロイの方法だって定式化されておらず、FTPで上げるものもあれば、SCPで上げるものもあるし、Subversionからupdateするものもある。デプロイツールは今でも進化を続けている。

あいまいな表現で言えば、日々精進するしかない。日々飯を食らうためにはクライアントを選ぶ余裕もなく、すでに動いているサービスの保守は行っていかなければならない。会社はまだまだ未熟だ。仕様の策定のルールもコーディングルールもデプロイのルールもない。業界そのものがものすごいスピードで進化していく以上、完璧なルールができたあとには改定に追われることになるだろう。それで身動きがとれず、適当な仕事を繰り返す。

もちろんどこの会社もそうだとは言えないが、大体そんなもんじゃないかと思う。他の業界で仕事するっていっても、給料は高い方がいいし。自分の能力の中で最も秀でているのはプログラミングなわけだし。どこに行っても同じような苦労は絶えないわけだし。それが社会人ってもんだとも思ったりする。楽して生きてくにはそれ相応の準備とか才能とか努力とか犠牲がいるわけで。

とりあえずイラついて悩んだりもしてみたが、結局はこんなイラつきを避ける方法は、ベクトルがどうであれ自分ががんばる他にはない。仕事でストレスが溜まるのはいつものことだ。ただひとつ学べたのは、自分が下請けに依頼する側になったときには「絶対にこんなことがないようにしてください」などと理不尽な要求はしないことだ。それは責任をとる側のセリフだが、リスクを回避するために、よりプラスになる別の方法をとる。プレッシャーを与えることでリスクを回避させようとする方法は根本的な解決にならないからだ。

はぁぁ〜〜〜〜、つかれた〜
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